早く完成した子ども達から、さっそく座って座り心地を試していました。


 

大事そうに、何度も何度もサンドペーパーをかけて、座面をすべすべにしている男の子。

 

すでに “  My ベンチ ” ですね(^^)

 

ちなみに、みんながこの日造ってくれたパレットベンチは、持ち帰るのではなくて、このままこのスペースに常設されるストリートファニチャーとなります。

 

道行く人たちがここを訪れ、おしゃべりしたり、ボーっと寛いだり、そして時には疲れてどこかに座りたいな‥と思ったときのためだったり‥さまざまな人を受容する、やさしいベンチになります。

 

そんなベンチを、未来を担うまちの子ども達が、自分のモノにならないにも関わらず、お父さんやお母さんと一緒に楽しく造ってくれた‥そのこと自体が、とても尊いことだと思いませんか(^^) 

最近のイベントは、何かお土産や持ち帰るモノがないと中々参加してもらえない‥という声も聞きます。そんな中、「子どもの貴重な体験」として、その趣旨に対し賛同・ご参加くださった保護者の方々の意識の高さにも感激した私たちです。こういう意識が、自分の住むまちを豊かにしていくのではないでしょうか。

 

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さて、このあとはラボへ会場を移動して、佐伯さんから木と里山のお話を聞く時間です。

このベンチ‥ じつは動かせるんです!モバイル型ベンチ‥すごいでしょう?(^^) キャスターをつけているので、角度を変えると移動ができるんです。これなら、好きなところへレイアウトしたり、必要な場所へ持って行けたりできます。水島は公園があちこちに点在しているので、持って行くことができそうですね。

 

 

水島臨海鉄道のスタッフの方が、「これ、欲しい!」「うちの各駅に置けたらいいなぁ!」なんて、絶賛してくださっていましたよ(^^)

さて、ここからは座学の時間。新見の佐伯さんから、里山のお話や材木のお話を伺います。

「今みんながつくったベンチの木は、この新見の森のヒノキなんです」

 

スクリーンの向こう側の別の世界のオハナシではなく、今自分が見て触って匂いを嗅いだ、あの木のことを話し始めたものですから、子ども達、シーンとして聞き入っていました。

佐伯さんのお話で素晴らしかったのは、“ 木の礼賛 ” 話で終わらせなかったことです。木の良さ、そして木に成り代わって使われる石油製品、そのどちらにも長所と短所があること、それらを上手に選択することの大切さを、子ども達へ伝えたのです。

 

そのうえで、選択する際には、自分や自分の狭い範囲での利便性のことだけを考えるのではなく、自然環境や生態系、循環するしくみなど、もっと広い視野で、先々のことを考えた上で、目の前のことを考えることの大切さをお話しされました。

そんな佐伯さんに呼応するかのように、子ども達も自分の意見を発表します。無理矢理ではなく、自発的に「ハイっ!」と手が挙がる子ども達も、本当に素晴らしかったです。

 

いつのまにか佐伯さんと子ども達のダイアログになっていき、場内の温度が上がっていくのを感じました(^^)

里山は、自然のままに放っておいていいものではなく、人間が適度に手を入れ続けることで、生態系が豊かになっています。「間伐」という言葉を通じて、佐伯さんはそのことをお話しされました。私たちは、木に代表するように、自然界のさまざまな恩恵を直接的/間接的に享受し、暮らしが成り立っていますよね。

 

人間は、残念ながら自然環境を破壊する存在にもなりますが、守る存在にもなり得ます。ぜひ、守る存在になりたいものですよね。

守られているから、守りたい

そんな言葉が思い浮かぶ、温かで力強い感触を共有できる時間を、子どもはもちろん、大人も一緒に過ごせて、素敵な一日となりました。参加してくださった親子の皆さん、お手伝いしてくださった地域の方々、本当にありがとうとございました。

 

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東京海上日動のGreen Gift のプロジェクトは、これから3年間、当MPM Lab. が実施団体として継続して行われる予定です。堅苦しくない、でもちょっぴりマジメで、そして何より楽しい!を大切にした企画を引き続き考えたいと思っていますので、またぜひ参加してくださいね。

 

そして・・・

後日・・・9月18日には、同じ会場で Park(ing)Day2020 という世界規模のイベント(≒社会実験)が開催され、みんなのベンチがお披露目されました。

 

造った人のネームプレートと、緑をあしらったグリーンBOXもベンチに設置され、素敵な空間づくりの一翼を担う存在に!いろいろな人がこのベンチに座ってくれるといいですね(^^)