はじめてのPark(ing)Day

岡山初のPark(ing)day となる予定だった2019年8月30日。連日の雨模様で、開催判断はギリギリまで難航しました。本企画は手探りの挑戦だったこと、昨年の西日本豪雨の教訓もありましたので、安全面の大事をとって開催は中止といたしました。

 

事前にご協力いただいていた皆様、また近隣の皆様には十分な情報をお届けしきれなかったことを、まずはお詫び申し上げます。

この企画は、水島のまちを楽しく居心地のよいエリアにしていこう!という趣旨から立案した一方で、みずしま滞在型環境学習コンソーシアムさんとの協働企画という側面がありました。私たちの企画も、岡山大学地域総合研究センター(AGORA)さんのツアーカリキュラムの一つに組み込まれていて、岡山大学、熊本大学、金沢大学の学生さんたちはすでに水島入りしていました。

岡山大学研究員でアメリカ オレゴン州 ポートランドから来日中のサウミャ・キニさんと、本企画の総合プロデュースをしてくださった、同じくポートランド市公園局のジョニー・フェインさんも水島入り。


私たちには資金がないので、空間づくりのアイテムはすべて、廃材や無償提供によるご協力、私物の持ち込みで賄うことにしました。これらをリストアップしてアイデアをジョニーさんへ提案。ジョニーさんはそれらをもとに、全体プランを考えてくださっていました。

ちょうど雨はあがっていたし、せっかく設営アイテムも数週間前から準備して搬入していたんだから、パレットだけでも並べてみようよ!‥と、急遽 会場へ繰り出すことに。

OK!Let's have fun!

\よし、楽しもうよ!/

 

ジョニーさんのこの掛け声で、場の空気は変わり、一気に動き出しました。

 

地域の皆さんもお招きし、水島に由来するお店の方々にも出店していただく‥という予定は中止となったものの、パレットの設営をして、晩ごはんもここで食べることになりました。



おお~!ジョニー監督(?)の指揮のもと、サクサク動く学生さんたち!機動力がハンパない!



道行く人や車も、「なにごと!?」 スピードを落としてみんなが見ていきます。

ご近所さんも「どしたん?これ何しとん?」「雨で中止じゃなかったん?」と声をかけてくださるので、経緯をご説明。

 

ちなみに、こんなふうに道行く人に注目していただき、立ち止まり、立ち寄ってもらい、どんどん輪を広げたいね‥ということは打ち合わせの時に話していました。その通りになってちょっと嬉しい現象(^^)


うわ‥なんか、大物が出来上がってきましたよー!お祭りの櫓(やぐら)みたいですねー。

さぁ!アスファルトにチョークアートを描こう!

わ、かわいい!


やだー!キミらなにしてんのー サイコー\(^o^)/

ドリンクコーナーがこんなに可愛くなりました♡


気がつくと、あたりはトワイライト・タイム。昭和の空気感がまだ色濃く残る水島のまちに、夕暮れの空って本当に似合うんですよね。

このノスタルジックな雰囲気は、ここへ来ないと感じられません。まちの自慢です!^^

この商店街は、夕方になるとどこからともなく、イイ感じのJazz が流れ始めるんです。周辺のスナックにも灯がともり始め、昼間とは違う表情を見せ始めます。

なんだかイイ感じになってきました。これだけでも充分素敵なのに、中止じゃなかったら、もっともっと素敵になっていたのかな‥!

おお~ 元々お願いしていたバンドの皆さんがやって来てくださいました\(^o^)/ なんと、ジョニーさんとサウミャさんまで楽器を持って歌い始めました!聞けば、お二人はライブ活動もされているのですって。もうみんな大感激!即席で造ったパレットのライブステージで、素敵なセッションが始まりました。

 

夜の帳が下りる頃、音楽に誘われてご近所の皆さんも遊びにきてくださり、水島のみんなの思い出の地:百貨店本店跡地に、ポートランドの風と若者たちの風が吹いてきて、素敵な空間が生まれました。それは、私たちMPM Lab.が願っていたことでもありました。

「これ、毎週やってほしいです!」

「これ、これから毎月やるん?」

「今度やるときは、うちも出店していい?」

 

地域の方々から質問やリクエストが続出(^^)

 

「今日のこと、絶対人生の思い出のひとコマになると思います!」

「最初、何がなんだかわかんなかったけど、途中からだんだん楽しくなってきましたー!(^^)!」

「また来年もこの授業、取ろうかな!」

 

学生さんたちからもこんな感想が♪

 

***

今回の企画は初めてのことで、皆 別に仕事を持っている者同士のために遠隔でのやりとりも多く、ギリギリまでいろんなことが錯綜しました。

 

「この目的って何?」

「これをやることで何が変わるの?」

「こんなので本当に人が来るとは思えない」

「外国で流行ってるからって、こんな田舎の寂れたまちでやって意味あんの?」

 

そんな声が聞こえてくるたび、不安になったことも確かです。

 

でも、やってみないと本当のことってわかりません。

 

理想とする将来像を先に描き、そこへ到達するように逆算して動きを決めていく手法のことを「バックキャスティング」といいます。不透明かつ変化の激しい環境下で有効。SDGs(持続可能な開発目標)を成功させるキーワードといわれています。まちづくりはまさに、このバックキャスティングがカギではないでしょうか。

 

そのことを、いつも屈託のない笑顔で私たちに教えてくれた、ジョニーさん。

 

「Please send me any items that you need. I will go to home center tomorrow. 」

(なにか必要なアイテムがあったら送ってね。明日ホームセンターへ行ってくるよ )

 

「Please let me know if you have other ideas and we can work together! I am excited to help!」

(ほかに何かみんなで一緒にできることがあったら知らせて!手伝えるのを楽しみにしてるよ!)

 

彼は日本語をほとんど話せません。私たちより不安だったかもしれないのに、私たちのことをいつも気にかけてくれ、力を貸してくださいました。

 

学生の皆さんも「こんなところに連れてこられて、一体何やらされるんだろう?」って思ったかもしれません。

でも、柔軟にその場の空気を拾って楽しむ姿に、私たちはハッとしました。

 

 

Mizushima Park(ing)day は 中止となりましたが、近いうちにリベンジ開催をしたいなと思っています。今回の教訓を生かして、次回はもう少していねいな運営ができたらと思います。その時にはぜひまた遊びに来てくださいね。

 

ありがとうございました!